嫌わないで!
「お父さん、嫌わないで!」
なぜか、え?このタイミングで?!
という時に、私の中から“ひょいっ”と顔を出した言葉。
私はわりと、理性の壁が厚くなってしまって、
本音がなかなか見えてこないのだけど、
これは、気持ちがゆるんでいたお陰か、
するりと胸のあたりから響いてきた。
そして同時に涙しながら、
ああ。機嫌の悪い父親に対して不安になってしまうのは、
これを抱えていたせいだったんだな。
と、理解した。
間違いなく子どもの頃のことだったんだろうけれど、
何がきっかけだったのかはよくおぼえていない。
さすがに私も大人なので、
機嫌が悪いくらいで嫌いになるとかは無いし、
私の欲しいのとはちょっと違うけれど(笑)、愛情があるのはわかる。
(そして典型的娘に弱い父親なのも(笑))
だけど、私の中の小さな子どもの部分がまだずっと、
「お父さん、嫌わないで!」
と叫んでいたのだと。
そうだね、
こわかったね。
不安だったね。
辛かったね。
悲しかったね。
もう大丈夫。
大丈夫だよ。