映画「カストラート」…そして音楽家
離れていると受け止められるのに、
近くにいるとなんで嫌になっちゃうんでしょうかね〜?
観よう観ようと思っていて忘れていた映画、
カストラート Farinelli il Castorato
を観ました。
内容に関しては色んなところで書いてあるので、私個人の感想などを。
主人公のファリネッリ(本名:カルロ)と兄のリッカルドが話す時はイタリア語で、
他の貴族達と話す時はフランス語、
そして歌はみんなイタリア語なので、
きっちり西洋音楽史が反映されているのが面白かったです。
確か、イギリスでの貴族階級はフランス語で、市民階級は英語だったはず。
当時は歌手の技量を見せるために、
長いフレーズを装飾音をたっぷりで歌う音楽が聴衆に好まれたけれど、
ファリネッリは、歌手の為でなく音楽として素晴らしいものでなければダメだ!
と、作曲家の兄に訴えたり。
「貴方の名前は忘れられるが、ヘンデルの名は後世まで残る!!」
とイギリス皇太子に食ってかかったり。
ヘンデルがファリネッリに盗まれた自分の楽譜を探しに来た時に、
兄のリッカルドが作曲しているところに出くわして、
ヘンデルが創作意欲を刺激されてしまったり。
私はソルフェージュ弱いのでヘンデルのセリフの面白味が余り解らなくて残念だったけど。
(ここで「紙とペンとワインを持って来い!」と叫ぶヘンデルに、
ワインもデフォルトなのか!!と笑ってしまったw)
役者さんの歌うシーンの口パクは多分それらしくしているけれど、
身体の方まで歌う演技は出来なかったみたいで、ちょっと気になってしまいました。
まあ、些細なことですけれど。
「音楽家」として描かれているのにとても好感が持てました。
さすが、イタリア・フランス映画。
もしこれがハリウッド映画だったらサクセスストーリーになっちゃうかも知れないです。
ハリウッド映画は分かり易いことが前提なので、そういうのを観たい時は良いですね。
…で、冒頭のつぶやきですけれども、
音楽に浸りきっているのは幸せなんでしょうが、
なんていうか、音楽は既に私の手に負えるものでは無く、
恐れ(若しくは無力感)を感じるんですけれど、
でも、実際の音楽に触れると、自分の中から音楽が聴こえる。
多分、音楽が溢れ出すまでは行っていないですが。
(それも、他人と比較しているせいで、自分ではイマイチ自信が持てない。)
あー、なんだろうなあ…
*1:ドイツ生まれのイギリスの作曲家