「愛」を受け取るのが怖かったんだ
と気付いてしまった。
気付いてしまった…というのは、
気付かないようにしていた、そこを華麗にスルーしていたからで。
人の愛情にしても、大きな愛と言われるものにしても。
自分は可哀想じゃない。
と言いつつも、
自分でできるんだから自分で何もかもしなくてはならない、
そう思っていて、
実は差し伸べられる手も、愛も、振り払ってきたのだ。
差し伸べられた手を取っていたら、
自分にとって不幸な事が起きる
そう怯えていた。
実際、飲み屋で隣り合わせた人が奢ってくれて、その恐怖でしばらくその店に行かれなかった事がある。
私に与えられようとしていた「愛 」は、全て恐怖の対象だった。
だから、愛には必ず見返りがあって、受け取ったからには何か返さなければならない
と思っていた。
無償の愛 なんて言葉、
本当の意味では信じていなかったんだ。
貰ったら返す。
自分からあげたら返してもらう。
そうやって、増やしも減らしもしないようにしていた。
愛を受け取ろう
なんてそんな生易しい覚悟では、私はたぶん受け取る事ができない。
少なくとも今の段階では。
これから、与えられる愛の恐怖に向き合っていく。
それが、今の私にできる覚悟。